この子の笑顔を大切にするために

わが子に軽度障害があることがわかってから。普通級か支援級か、うちの子“普通”じゃないの?悩みながらの子育て&親育ちの思いの記録。

普通級か支援級か

軽度といわれる分類で障害を指摘された保護者の多くが悩むのが、この問題だと思います。

 

私も我が子がそう指摘されるまでは単純に「軽度であれ障害があるなら、そういうコースで手厚く支援してもらえばいい」と思っていました。きっと将来的な就職などの保障にも繋がるのでしょう?と。

 

しかし、現実はそう単純なものではなく、だからこそ親は悩むことになるのです。

 

スクールカウンセラーや、児童発達専門医のクリニックで言われた、普通級のままで過ごすことにより起こりやすいデメリットは下記の通りです。

 

・普通級のまま過ごすことは可能でも、全体の中での指示が入りにくいため「お客さま」状態となり、学校での授業時間を無為に過ごすだけになる恐れがある。

   実際うちの子も、授業中静かに座ってはいるものの、興味の持てない課題になると、ひたすら指遊びやあらぬ方を向いてぼーっとしている逃避行動が見られました。

 

・3年生以上にもなると、子供達の中にグループ意識が強くなり、自分の仲間以外を排除・攻撃する傾向が強くなる。男の子は序列意識も出てくるので弱者には厳しい環境となり、残酷な言葉に傷つくことも増えてくる。

 

・そうして傷つけられたり、周囲と自分を比較することで本人の自尊心がどんどん低下していく。これが一番問題で、思春期以降の二次障害のリスクが格段に上がる。

 

・結果、不登校になったり知的な問題で進学もうまくいかなかった場合、高校どころか中学以降の進路でつまづくことも。

  もちろんフリースクールなど選択肢はたくさんあるが、結局中退してしまったり、障害を理解してもらえる職場に巡り会えないために仕事が続かないなど、将来の就職まで考えた場合、茨の道となる可能性が高くなる。

 

他にも色々ありますが、どこでも言われたのが上記の問題でした。

そして支援級に変わるなら、2年から3年の初めてのクラス替えが一番いい時期であると。

もう少し様子を見たいと引き延ばし、その結果やはり変えるべきだと親が後から思っても、高学年に差し掛かると本人が嫌がって断固拒否したり、心の負担になることが出てくるのだと。

 

頭では理解するものの、うちの子は違うと思いたい親心が、ひたすら反発の思いを生みだすのを押さえきれませんでした。

あなた方がそういう症例をたくさん見ているのは確かだと思うけど、それはうちの子が必ずそうなるという話じゃないでしょう?と。

 

 

私なりに考えていた、普通級のままで過ごすメリットは下記の通りです。

 

・本人が現状特に苦痛を感じてはおらず、クラスの友人達ともそれなりにうまく過ごせている。一人っ子で家の周辺にも同年代が少ない環境の中、大人数の刺激は魅力で、実際クラスメートに影響されての変化も見られるので、みんなにつられての成長を期待したい。

 

・勉強面での補習は、小学校レベルなら私がやれる自信がある(中高ですが教員免状あり)。実際今も、一対一でみてやれば、決して理解できていないわけではないと感じる。

(でも、家での補習無しでは、学校で自分では取り込めないということでもあるのですが・・・)

 

・「伸びる時期」というのが子供にはある(と思いたい)。その時、支援ルートに乗ってしまっていることが我が子の将来を狭めるのではないか?

  支援級では理科・社会の教科が無くなってしまうため、成績表そのものが違う。クリニックの先生には、外で塾などに通って補う方法もあると言われたが、限りなく一般受験が不可能になってしまうのでは?

 

・いずれは社会に出ることを考えれば、支援級の守られた環境より、普通級で残酷さも味わい揉まれた方が強くなれるのではないか?

 

 

・・・これらは全て、普通級のデメリットと表裏一体であることが今ではわかります。そうそううまくはいかないから支援級が必要とされるのだと。

当時も頭ではわかっていたのでしょうが、どうしても気持ちがついていきませんでした。

 

結局、3月ギリギリまで悩み、二年生の終業式2週間前に支援級への転入を決断しました。